『赤とんぼ』

詩:三木露風 / 曲:山田耕筰

夕焼、小焼の、あかとんぼ、負われて見たのは、いつの日か。

山の畑の、桑(くわ)の実を、小籠(こかご)に、つんだは、まぼろしか。

十五で、姐(ねえ)やは嫁にゆき、お里の、たよりも、たえはてた。

夕やけ、小やけの、赤とんぼ。とまっているよ、竿の先。

■楽曲解説

三木露風が自身の幼児期を回想して作ったという詩を1921年8月『樫の木』に発表したのち一部修正し、1927年に山田耕筰が曲を付けた。
ヨナ抜き5音音階で構成された旋律の前半は、シューマンの『序奏と協奏的アレグロ ニ短調 op.134』の中で繰り返し現れるフレーズとの酷似が指摘されている。
1989年に「あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた」で1位を獲得し、2007年には日本の歌百選にも選ばれた。