『仰げば尊し』

詩:不詳 曲:H. N. D.

仰げば 尊(とうと)し 我が師の恩
教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾(とし) この年月(としつき)
今こそ 別れめ いざさらば

互いに睦(むつ)みし 日ごろの恩
別るる後(のち)にも やよ 忘るな
身を立て 名をあげ やよ 励めよ
今こそ 別れめ いざさらば

朝夕 馴(なれ)にし 学びの窓
蛍の灯火(ともしび) 積む白雪(しらゆき)
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば

■楽曲解説

1879~84年にかけて文部省音楽取調掛が編纂した日本初の五線譜による音楽教科書『小学唱歌集』第三編が初出。
原曲は1871年にアメリカで出版された「The Song Echo」に収録の『Song for the Close of School』で、歌詞は大槻文彦・里見義・加部厳夫の共作とされる。
2007年には「日本の歌百選」に選ばれた。