『こきりこ節』

(富山県民謡)

こきりこの竹は 七寸五分(しちすんごぶ)じゃ
長いは袖(そで)の かなかいじゃ
窓のサンサは デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山を かづことすれば
荷縄(になわ)が切れて かづかれん
窓のサンサは デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン

向いの山に 鳴く鵯(ひよどり)は
鳴いては下がり 鳴いては上がり
朝草刈りの 眼をさます
朝草刈りの 眼をさます

踊りたか踊れ 泣く子をいくせ
ササラは窓の もとにある
烏帽子(えぼし)狩衣(かりぎぬ) ぬぎすてて
今は越路(こしじ)の 杣刀(そまがたな)

向いの山に 光るもん何じゃ
星か蛍か 黄金(こがね)の虫か
今来る嫁の 松明(たいまつ)ならば
差し上げて点(とも)しゃれ 優男(やさおとこ)

■楽曲解説

富山県の五箇山地方に古来から伝わる五穀豊穣を祈り祝う民謡で、日本最古の民謡とされる。
「こきりこ」とは長さ七寸五分(約23cm)に切った2本のすす竹を打ち鳴らす楽器のこと。
1953年に文化庁の無形文化財、73年に国の選択無形民俗文化財に選定され、中学校の音楽教材にもなっている。